厚いボール紙を使い、箱作りから始まったカルトナージュはフランス生まれの手工芸です。
昨今、日本のフランス駐在婦人達がパリ市内で催される講習会で習得し、年々愛好者がふえ、 その魅力を日本に持ち帰ったことにはじまります。
さて、そうはいっても陸続きのヨーロッパですから、イタリーにも同じような歴史があります。
こちらは、マーブル紙などの紙作りからはじまり、 どちらかといえば製本をベースとする紙にこだわるカルトナージュが、ホビーとして一般化してきました。
20年程前には大ブームとなり、ミラノ市内にカルトナージュの製品を販売するお店が数多くありました。
現在では文房具店の一角にノートなどが置いてある程度で、 フィレンツェやベネツィアなどの観光都市に行かないと専門店は見つからなくなってしまいました。
フランス仕込みのカルトナージュは額装をベースにして習得されることが多く、 カルトナージュに使用する材料も、額装で使用するものの流用となることがしばしば。
イタリー仕込みのカルトナージュは製本をベースにした簡単なノート作りから 習得するので、これといった特別な道具は必要としません。
イタリーではマーブル紙やプリント紙が主役のカルトナージュですが、 一体どうしてなのでしょうか?
それはイタリーが都市国家であった時代に、プリントの版が既に数多くできていたほど、 イタリーがヨーロッパのプリント紙の生産地でもあったからなのです。
19世紀にはプリントされた紙で出来た着せ替え人形なども、 当時のヨーロッパに一大ブームを巻き起こした、といわれています。
紙と製本クロスをベースにしたイタリアンカルトナージュも、この機会に是非 トライしてみるのはいかがでしょう。